「王おじいさん、ママはどこに行ったの?」小寶ちゃんは半日探しても見つからず、仕方なく王おじさんを探しに行った。
「坊ちゃま、まずはお食事をどうぞ。旦那様と奥様はすぐに来られますから」王おじさんは慈愛に満ちた様子で小寶ちゃんをダイニングテーブルへ連れて行き、食事の準備をした。
小寶ちゃんが気づかないうちに、王おじさんはこっそり2階のゲストルームのドアを見た。昨日は彼が部屋を片付けたのだ。本来なら君時陵が出てくるのを外で待って、何か準備が必要かどうか確認するつもりだった。
しかし、外で長い間待っていたのに、部屋からは誰も出てこなかった。王おじさんは嬉しそうな顔で眠りについたのだった。
ゲストルームで、夏挽沅はゆっくりと目を開けた。一晩の休養で、胃の調子がずっと良くなったと感じていた。
自分が寝ていた場所を見ると、夏挽沅は隣に時陵の匂いがすることに気づいた。
どうせ以前から病気になると時陵に抱えられて2階に上がることが多かったので、挽沅は特に過剰な反応はしなかった。
「起きたか?洗顔を済ませて、食事に降りよう」
隣の洗面所のドアが突然開き、時陵が出てきた。
「うん」
挽沅は布団をめくり、時陵と一緒に階下へ降りた。
「ママ!昨日は一緒に寝なかったの?!」まるまるちゃんは挽沅と時陵が2階のゲストルームから出てくるのを見て、口の中の肉団子を噛むのも忘れていた。
「.........」
小寶ちゃんの非難するような視線を見て、挽沅は何と答えていいか分からなくなった。
「お前は寝相が悪いし、お母さんは病気だったんだ」時陵が横から声を出した。
小寶ちゃんは挽沅が病気だったと聞くと、すぐに大好きな肉団子を置いて、挽沅の方へ走り寄り、小さな手を挽沅の手に入れた。
「ママ、大丈夫?」小寶ちゃんの大きな目には心配でいっぱいだった。
「もう大丈夫よ、いい子ね」
この食事の間、小寶ちゃんは特に良い子にして挽沅に水を注いだり、自分の大好きな小さな肉団子を挽沅にあげたりした。
「あなた、今日は会社に行かないの?会社の資金はもう調達できたんじゃないの?」
普段、夏元青は夜明けとともに会社へ行くのに、今日はもう11時近くなっているのに、元青がまだ家にいることを韓媛は不思議に思った。
「媛媛、話があるんだ。怒らないでほしい」