小寶ちゃんが遊園地の話をしたのを聞いて、夏挽沅はふと思い出した。自分もまだ行ったことがなかったのだ。現代に来てからは、本でしか遊園地の写真を見たことがなかった。
聞くところによると、主に子供が楽しむところらしい。
しかし、千年前から来た見識の浅い古い人間として、現代の遊具がどんなものなのか、実際に見てみたいという気持ちが心の中にあった。
そこで小寶ちゃんを連れて行くことを約束したが、小寶ちゃんは君時陵がいなければ家族として不完全だと強く主張した。そのため挽沅は君時陵が帰ってきたら、一緒に行くかどうか聞いてみることを約束した。
挽沅は時陵が絶対に行かないだろうと思っていた。あの子供っぽいカートゥーンのような施設は、時陵とはあまりにもかけ離れていたからだ。
小寶ちゃんと玄関で長い間待っていると、ようやく時陵が帰ってきた。
「なぜ玄関に座っているんだ?」
「パパ!会いたかった!」小寶ちゃんが真っ先に立ち上がり、時陵に向かって飛びつき、彼の足にしがみついた。
「また何か企んでいるのか?」小寶ちゃんのあの目つきを見ただけで、時陵は君胤が何か考えていることを察知した。
「パパ、抱っこ〜〜〜〜〜〜」小寶ちゃんは時陵の足にしがみつきながら、大きな瞳をパチパチさせて時陵を見上げた。
時陵はすぐに小寶ちゃんを抱き上げ、腕の中に抱きしめた。小寶ちゃんは時陵の首に腕を回し、ミルクの香りがする「チュッ」と時陵の頬にキスをした。
そして、ついに本当の目的を明かした。「パパ、週末に遊園地に行きたいの。一緒に来てくれる?」
時陵の表情が冷たくなり、眉をひそめた。小寶ちゃんは不味いと思い、すぐに挽沅に助けを求めた。「ママ!」
小寶ちゃんの助けを求める視線を受け取った挽沅は、立ち上がって時陵の側に行った。「小寶ちゃんは毎日本を読んで勉強しているから、週末に出かけて遊ぶのも悪くないわ。それに遊園地はとても楽しいって聞くし、私も行ってみたいと思ってるの」
似たような二つの目が、同じ期待を込めて自分を見つめている。時陵は最終的にうなずき、渋々同意した。
「わぁ、パパ最高!」小寶ちゃんは目標を達成し、時陵の腕からもがいて降り、部屋に走って行って最新のおもちゃの友達を探しに行った。
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