第166章 ママ、妹が欲しいな

翌日の朝早く、君時陵と夏挽沅は新しく摘んだお茶の葉と色とりどりの貝殻を持って出発した。

「ママ、帰ってきたの!」小寶ちゃんは劉おじさんに送られて戻ってきたばかりで、しばらくすると君時陵と挽沅が庭園に戻ってきた。

「うん、帰ってきたよ。この週末はいい子にしてた?」挽沅は前に出て小寶ちゃんを抱きしめた。

転生したばかりの頃、挽沅は本能的に小寶ちゃんを哀れんでいた。哀れみの気持ちが強かったが、この数日間の触れ合いを通じて、彼女の心の中で小寶ちゃんはもう手放せない存在になっていた。

たった二日間離れただけなのに、彼が恋しくてたまらなかった。

「ママ、僕とっても良い子だったよ。ママ、お疲れ様」小寶ちゃんは挽沅の首に腕を回し、大きな目を開いて甘えるように挽沅に甘えた。

「いい子でいてくれて嬉しいわ。ママはあなたにちょっとしたプレゼントを持ってきたのよ」挽沅は時陵から箱を受け取り、開けてみると中には小さな色とりどりの貝殻がいっぱい入っていて、とても綺麗だった。

「わあ、ママ、これすごく綺麗!」小寶ちゃんは嬉しそうに貝殻を手に取り、真剣にその模様を観察し始めた。

「後でこれを使って小さなチャームを作って、あなたのバッグにつけてあげるわ。いい?」挽沅は笑いながら小寶ちゃんの柔らかい頬をつまんだ。

「うん!ママ、チャームを4つ作ってくれる?僕たち一人一つずつ!」小寶ちゃんは大きな目を細めた。

「4つ?でも曾祖父さまにはこういうものは似合わないわよ」小寶ちゃんが4つと言うのを聞いて、挽沅は一瞬戸惑い、老人のことを思い出したが、老人にはこういった小物は似合わないと思った。

「違うよ!ママ、4つ作って、僕が1つ、ママが1つ、パパが1つ、妹が1つ、ちょうど4つじゃない?」小寶ちゃんの潤んだ目には「ママってバカなの?」と書かれているようだった。

「妹?どの妹?」挽沅は困惑した。君家には君胤より小さい子供がいるとは聞いていなかった。

「妹はここにいるよ!」小寶ちゃんは手の貝殻を置くと、挽沅の胸に飛び込み、慎重に挽沅のお腹を指さした。「ママ、今回二人で出かけたのは、僕に妹を作りに行ったんでしょ?」

?????

挽沅は小寶ちゃんの純真な眼差しを見て、呆然としていた。

傍らで悠々とお茶を飲んでいた時陵は、息子の予想外の一言に驚き、お茶を喉に詰まらせそうになった。