番組では、予想通り夏挽沅のグループが勝利を収め、この詩詞大会を通じて、会場にいたほとんどの人が夏挽沅を見直すことになった。
人とは不思議な生き物で、ある人に反感を持つと、その人がどれだけ多くの長所を持っていても、たった一つの欠点によってすべてが覆い隠されてしまう。
しかし、その偏見の層を取り除いた時、以前は偏見の中に隠れていた優れた点が見えてくるものだ。
舞台上で静かに立つ夏挽沅は、まるですべてを掌握する自信を持っているかのようで、内側から外へと穏やかな気質を漂わせていた。その絶世の美貌と誇り高い内面が衝突し、挽沅は独自の世界を作り上げていた。
【本当にすごいね、しかも美人...】
【覚えてる?夏挽沅って琴も上手だったよね...】
【作詞作曲もできるって聞いたけど、今まで真剣に見てなかった。今度挽沅の作品がどんなものか見てみよう】
【宣言する!今日から正式にこのお姉さんのファンになります!】
【毒されてるの?単なる作られたイメージでしょ。フォーラムで夏挽沅が以前どれだけ文盲だったか見てみなよ。私は挽沅が突然こんなに凄くなったなんて信じないわ、絶対何か裏があるはず】
まだ様々な議論はあるものの、この番組をきっかけに挽沅のファンになった人々も少なくなかった。
そして、しばらく静かだった夏挽沅のファングループには、再び新しい人々が流れ込んできた。
ファン数は300人にまで増加し、
グループ管理者は大喜びで、爆竹を鳴らして祝おうとしたが、前回グループ内で爆竹を鳴らして数十人が去っていった惨状を思い出し、思いとどまった。ただ黙って何個かのバカ笑いの絵文字を送っただけだった。
新しく来たファンたちは、このファングループがなんて冷たいんだろう、しかもグループ管理者がちょっと間抜けに見える、と思い、また30人が退会した。
ファングループ管理者:言いたいことがあるけど、言うべきか言わざるべきか。
ネット上での議論は、現在の夏挽沅には関係なかった。番組は先週録画を終えていたからだ。
今の挽沅は、かつて非常に人気のあった国民的オーディション番組「スーパースター」を非常に興味深く見ていた。
ちょうど10分前、陳勻から電話があり、「私はスターだ」という名前の準備中の番組が幅広くゲストを募集していると伝えられた。