夏挽沅の予想通り、君時陵は何でもできる人だった。
元々何の方法も掴めなかった夏挽沅は、君時陵の口頭指導の下、徐々にコツを掴んでいった。
夏挽沅は物事を覚えるのが非常に早く、最初の五十メートルではまだ浮き板に頼り、ぎこちない動きだったが、二回目の五十メートルになると、浮き板を手放し、それらしく泳げるようになっていた。
君時陵はプールサイドに座り、一つ一つ夏挽沅に技術を教えていた。李おかあさんとメイドはすでに館から退出していた。
夏挽沅の動作は極めて標準的で、そのため見た目も非常に美しく、まるで水面を舞う蝶のように、波の中で上下に飛翔していた。
夏挽沅が着ている、一見普通の水着は、彼女が身につけると、ある種の禁欲的な美しさを醸し出していた。
もともと長い脚が水中で波を切り開き、また閉じる様子は、まるで箸のように真っ直ぐだった。
水に濡れた水着はより体にフィットし、夏挽沅の体のラインを完璧に浮かび上がらせていた。時陵は室内が蒸し暑く感じ、手を伸ばしてシャツの襟元のボタンを外した。
半時間後、挽沅はすでに非常に上達し、水中で楽しそうに泳いでいた。時陵は耐えられないほど蒸し暑く感じ、外に出て空気を吸いたいと思った。
プールの水はやや冷たく、通常の水泳手順では、泳ぐ前にウォームアップが必要だ。そうしないと、冷たい水に長く浸かっていると、足がつることがある。
王おじさんがプロの教師を引き上げてしまったため、挽沅は当然ウォームアップについて知らなかった。時陵が来た時には、挽沅はすでに水に入っていたので、彼女を再び上がらせることもしなかった。
そして、挽沅が水中でもう一往復しようとした時、突然右足が痙攣し始めた。水中でバランスよく伏せていた挽沅は、突然横に転がった。
時陵がボタンを外すために下を向いていた隙に、顔を上げると、挽沅が横向きに水中に沈んでいくのが見えた。
「どうした?」時陵はすぐに立ち上がり、プールサイドに歩み寄って確認すると、挽沅が水中でもがいているのが見えた。
「ドボン」という音と共に、時陵は直接水に飛び込んだ。
挽沅は右足が冷たくしびれ、まるで自分の感覚がないかのようだった。鼻から少しプールの水が入り、水底に沈みかけたところで、時陵が彼女に向かって泳いでくるのが見えた。