第398章 暗闇の中の論争

夏挽沅は損傷した監視カメラの記録を君時陵に渡し、間もなく、完全な監視記録が彼女の手元に届いた。

夏挽沅はそれを見て、やはりそうだと思った。

彼女の予想は間違っていなかった。百祥会社こそがオリジナルの配合表の所有者であり、その配合表を盗み出して佳飲会社に売った人物は、なんと今でも百祥会社で働き続け、何事もなかったかのように振る舞っていたのだ。

この監視記録があれば、配合表の盗難に関わった全ての関係者を特定できる。挽沅は直接その記録を沈騫に送り、関連事項を伝えた。

当初、これらの人々は佳飲グループからの金銭で買収されていたが、今や動かぬ証拠となる映像を前に、さらに騫からの金銭的誘惑もあり、次々と寝返り、裁判官に事実を正直に述べることを約束した。

百祥会社はこれらの事実をすぐに公表したいと考えていた。結局のところ、彼らは佳飲グループによってあまりにも長く中傷され続け、心の中に大きな怒りを抱えていたからだ。しかし、それは挽沅によって阻止された。

「待ちましょう。佳飲グループが新しい梅ジュースを発売する予定だという情報があります。彼らに売り切らせてから公表しましょう」挽沅は冷静だった。まずは彼らにたくさん稼がせて、後でより多くの賠償金を払わせるつもりだった。

——

衛家のおばあさまはずっと奇妙な態度を取り続けていた。

原主の母親は衛家の末娘で、他の二人の娘たちは婿養子を迎えたが、原主の母親は嫁に出た。理屈からすれば、夏挽沅は衛家の外孫娘にあたるはずだが、衛おばあさまは彼女を家族として認めるつもりがないようで、外部に対しても衛家に外孫娘がいるとは紹介していなかった。

まるで、彼女は挽沅をどうでもいい存在として扱っているようだった。

しかし手元に届いた招待状を見て、挽沅は少し困惑した。衛家の家族会議に彼女も招待されていたのだ。そして最も重要なことに、彼女に割り当てられた席は、なんとおばあさまの隣だった。

彼女は政治的な駆け引きに精通していたため、この席順が何を意味するのかよく理解していた。

「君時陵、この衛おばあさまは一体何を考えているのかしら?」挽沅は招待状を時陵に渡して見せた。

時陵も席順を見て一瞬立ち止まった。「衛おばあさまは只者ではないな。行きたければ行けばいい。どうせ俺もいるし」