真理子は高橋老先生が彼女に「貸して」くれた六冊の高橋氏醫書をめくってみると、最後の一冊が実は「高橋氏太極拳」のセットだということに気づいた。
高橋氏太極拳は全部で三十六式あり、文字による説明と図解を合わせても四十ページほどだった。
高橋老先生は特別に彼女のために「家長の同意がなければ使用できない」という禁忌を解いてくれたのだから、この「高橋氏太極拳」の本を彼女に与えたのも、自由に学んで使ってもいいという意味なのだろうか?
真理子は高橋老先生がとても不思議な老人だと感じた。彼はまるで火眼金睛を持っているかのように、彼女に神童の素質があり、独学でマスターできることを見抜いたのだろうか!
蛇さんから教わった上古から伝わる最も完全な版の「五禽戯」を練習した後で、この「高橋氏太極拳」を見ると、確かに全く難しくなかった。しかし「高橋氏太極拳」も数百年の伝承を誇るだけあって、奥義は深く、本当に習得すれば、体を強くし骨を丈夫にし、三、四人の悪党を相手にしても問題ないだろう。真理子は心の中で二回ほど演習してみて、マスターしたらおじいさんとおばあさんに教えようと決めた。二人の老人が暇なときに少し動かして遊べるように。未来では中高年の人々が広場ダンスで体を鍛えるのが好きだが、太極拳はもっと格調が高く、さらに人に神秘的な印象を与えることができる。
真理子はおじいさんと一緒に満おじさんの家へ贈り物を持っていく途中、このことをおじいさんに話した。おじいさんも太極拳を知っていて、真理子がそれを練習することに反対はしなかった。子供が新しいものに興味を持つのは当然だと思い、真理子が自分と老妻にも数手教えたいと言うのを聞いて、思わず大笑いしたが、彼女の気持ちを挫くことなく、うなずきながら答えた:
「いいとも!いいとも!真理子が習得して、上手になったら、おじいさんとおばあさんに教えてくれ。私たちはお前を小さな師匠と呼ぶのを楽しみにしているよ!」
満おじさんの家は川辺に近く、彼の家の門から川辺の古いカエデの木の梢が見えた。
雷に打たれた後、真理子は三日おきに古いカエデの木に霊泉水をやりに来ていた。大抵は朝の薄明かりの時間で、おばあさんがまだ起きていない時に、こっそりと戸を開けて出かけ、戻ってきてからもう一度寝ることができた。