第154章 田原お婆様

田原家の長老は話題をそらし続け、田原お婆様はついに息子を許し、もう彼を責めて後悔させることはなかった。

彼女が言ったように、すべてを見通し理解したのだ。人生の終わりに近づいて、何にこだわる必要があるだろうか？息子が順調に暮らし、自分が快適だと感じているなら、もう干渉しなくていい。もちろん、干渉できないのだが！あなたは彼の母親だとしても、どうすることもできない。生きている間でさえ彼を曲げることができなかったのに、死んでからどうするというのか？

彼女の人生には一つの定義しかなかった：失敗！完全な失敗！

先祖に顔向けできない。将来、田原家をあの吉田暁文に任せるなんて、百パーセント不安だった！

田原お婆様は心ならずも、長男がスプーンで一口一口薬を飲ませるのに任せた。息子も疲れているだろうから、早く飲み終えて彼を休ませようと思い、自分はそのまま横になって寝てしまおうと考えていた。

田原青山は母親と一緒にいることを決意し、薬を飲ませ終わっても急いで帰ろうとはせず、ベッドの端に座って母親と話していた。田原家の長老は出て行って谷本さんに何か指示を出し、また部屋に戻ってきた。息子に風呂に入って休むよう促そうと思ったが、母子が話しているのを見て、お婆様が少し元気そうだったので、彼も座った。

青山は父親を見て、笑いながら言った。「明日、あの子を連れてくるよ。お父さん、お母さん、見たら驚くよ：本当によく似ているんだ。錦一のガキまでが疑って、僕が南部に行って、そこで結婚して子供を作ったのかと追及してきたくらいだよ。」

「どこの子だ？」田原家の長老が尋ねた。

「今、お母さんに話していたところだよ。黒田家にいるんだ。今日到着したばかりなんだ。」

長老は笑った。「当時、お前の母親はお前を南部に行かせたかったんだが、お前は北へ行くと言い張った。もし南部に行っていたら、もしかしたら、別の展開になっていたかもしれないな！」

彼が指しているのは、もちろん家庭を築くことについてだった。

お婆様は息子の手を叩き、少し不満げに言った。「それも黒田家のあの娘のためでしょう？私にはわからないわ。あなたのお父さんは当時、有名な遊び人で、腹黒くて、町中の娘の半分を家に連れ帰りたがっていたのに、どうしてあなたたち兄弟は、一本の木に首をつるようなものなの？」