第一55章 新しい服

真理子が目を覚ますと、すでに大晦日になっていた。黒田俊欽が教えてくれたことだ。部屋のドアを開けると、外から二人が転がり込んできて、床にはお菓子が散らばった。この二人は彼女の部屋のドアに背中をもたれてお菓子を食べていたらしい。なるほど、ずっとカリカリという音が聞こえていたのは、部屋のどこかに鼠の巣があるのかと思っていたのだ。

二人のうちの一人は当然、黒田俊欽だった。彼は起き上がって笑いながら言った。「三子、君は本当によく寝るね。昨日の夕食も出てこなかったし、もう朝の8時だよ。僕たちは1時間以上も君を待っていたんだ!今日は大晦日で、街はとても賑やかだよ。伯母さんが僕たちを少し遊びに行かせてくれるって!」

真理子はうなずき、彼の隣にいる自分と同じくらいの年頃の少女に視線を向けた。顔立ちから判断すると、これは大崎健太が言っていた黒田俊峰の妹、黒田家の孫世代で唯一の女の子、黒田玲子に違いなかった。

前世で黒田俊均のそばで3年以上過ごしたが、真理子は彼の兄弟以外の黒田家の年長者には会ったことがなかった。この黒田玲子にも会ったことがなかった。彼らが黒田俊均に会いに来なかったわけではなく、彼らが来る時には、俊均が真理子と彼らが鉢合わせしないようにしていたのだ。

黒田俊均は自分の家族一人一人を理解していた。特に港川の名家に嫁いだこの妹については、彼女たちが悪人だと思っていたわけではなく、真理子が彼女たちに会えば、多かれ少なかれ傷つくことになると知っていたからだ。

大崎健太は真理子に海外で整形手術を受けるよう要求し、過激な態度を示したため、真理子の拒絶に遭った。黒田俊均の反応は、直接大崎健太を門の外に放り出させ、実際の行動で真理子と彼との絶交を支持したのだ!

少しでも真理子を良く思わない人がいれば、俊均は彼女に近づくことを禁じた。だから、真理子は多くの人と対面する必要がなかった。

今世で黒田玲子と会い、真理子は好奇心を持って彼女を見つめた。これは将来、港川で国と競えるほど裕福なメディア財閥の若奥様になる人物だ。全身が金色に輝いて非常に価値がある。