元宵節が過ぎると、春節も終わりとなり、生産隊は労働生産を始めることになった。ちょうど大雨が降ったばかりだったので、正月十六日はとりあえず外出せず、隊長は隊員たちを集めて小さな会議を開いた。会議は30分も経たないうちに終わり、みんなそれぞれの家に戻って農具を取り出して修理し、仕事の準備を始めた。
大人たちがまだ家にいるので、ご飯を炊いたり豚に餌をやったりするのは母親たちが引き受けていた。子供たちはかなり楽になり、今日はちょうど公社の市場の日だったので、関口愛子や佐藤玲子たちの家には自転車があり、みんなで自転車に乗って市場に行くことにした。そして真理子も誘った。
真理子がまだ返事をしていないうちに、おじいさんは彼女にみんなと一緒に行くように言い、お金を渡して市場から新鮮な豚肉を買ってくるように頼んだ。脂身の少ないものを選ぶように、誠一は都会の子で脂身が好きではないからと。
真理子は口をとがらせた。おじいさんとおばあさんは田原浩誠にとても優しくて、もう自分よりも大事にしているみたいだ。
お金を受け取ると、部屋に行って自転車を引き出した。彼女自身もお金を持っていた。今回東京に行った時にもらった多くの紅包を開けて数えてみると、合計で3000元近くもあった!これは1979年のことだ。農村では嫁をもらうための持参金と結婚式の費用を合わせても、1000元あれば十分だった時代だ!
おじいさんとおばあさんは彼女のお金を取らず、学費や小遣いとして取っておくように言った。その他の家庭用品を買う必要があるときは、おじいさんが別にお金をくれた。
おばあさんが毎月くれる2元の小遣いは少なく感じたが、おばあさんは相変わらず真面目にくれていた。
田原浩誠も真理子と一緒に行きたがった。彼のズボンはおばあさんが乾かしてくれて、大崎健太の上着を着れば外出できる状態だった。
真理子は彼を連れて行きたくなかったが、おばあさんは関口愛子たちを指さして言った。「みんな自転車の後ろに弟や妹を乗せているのに、あなたはなぜ乗せられないの?弟を連れて行って、私たちの地元の市場の賑わいを見せてあげなさい。それに揚げ豆餅も買ってあげなさい。」
おじいさんは田原浩誠に5元札を渡した。「何か好きなものがあったら、自分で買いなさい。」