第233章 好き

大崎健太は二人が前後して部屋に入るのを見て、すぐに後を追おうとしたが、黒田俊均に止められた。「東京の家からの伝言を真理子に伝えたいんだ。お前に聞かせるわけにはいかない。大人しくしていろ!」

そう言うと、外側のドアを閉めた。

バルコニーに立ち、俊均は真理子の肩に手を置き、二人の身長差を確かめながら、彼女の顔をじっくりと見つめた。たった二年の間に、この少女はこんなに変わったのか。いくら見ても見飽きることはなく、微笑みながら言った。

「やはり女は大きくなるにつれて美しくなるものだな。ますます綺麗になって、もし街中で突然会ったら、もしかしたら気づかなかったかもしれない。でも、もっとたくさん食べて、もう少し背を伸ばさないとな。」

真理子は恥ずかしそうに俯いた。「私なんて普通よ。均兄さんは外をたくさん旅して、本当に美しい女の子をたくさん見てきたでしょう。」

「おや、謙虚になったのか?」俊均は面白そうに、彼女の顎を優しく持ち上げ、目と目を合わせながら、ゆっくりと真剣に言った。「外には確かに美しい女の子がたくさんいる。でも私の心と目には、真理子にはかなわない——私の真理子は、どんな状況でも、最高の女の子だ!」

「初めて君に会った時、とても懐かしい気がした。まるで前から知っているような気がしたんだ!君があの玉でできたお札を私にくれた時、あんなに小さいのに私の安全を祈ってくれて、とても感動したし、大切に思った。佐藤真理子、君が大人になったら、私、黒田俊均を選んでくれないか、一生涯共に歩む人として……真理子、驚かせてしまったかもしれないが、心配しないで。田原黒田両家の婚約を気にする必要はないし、今すぐ返事をくれなくてもいい。ただチャンスをくれるだけでいい、いいかな?」

「チャンスなんて簡単よ、あげるわ。関係を確定する前なら、もし他の女の子に出会って好きになっても、私は理解するわ。でも関係を確定した後はダメよ!さて、学校に行かなきゃ、遅刻しそう。」と真理子は言った。

俊均は一瞬呆然としたが、すぐに我に返り、喜びのあまり真理子を抱き上げて何度も回転させてから下ろした。「やっと安心できた!さあ、学校まで送るぞ!」

そのとき外のドアがノックされ、健太の声が聞こえた。「真理子、真理子、学校行くんじゃないの?もうすぐ授業が始まるよ?」