夕食後、真理子は関口愛子と佐藤玲子に付いて学校に自習に行き、黒田俊均も大崎健太と一緒に階下へ降りた。黒田は健太に早めに莞市へ帰るよう促したが、健太は不満そうに言った。「なぜ君は帰らないんだ?ここでどうやって泊まるつもりだ?男女二人きりじゃないか。君がいなくなったら、人々は真理子の噂話をするぞ!」
黒田は機嫌よく健太の後頭部を軽く叩いた。「それは心配しなくていいよ。気をつけて運転して、安全に気をつけろよ!明後日の土曜日の午後に来て、俺と真理子を迎えに来てくれ。村に戻って二人のお年寄りに会いに行くから。その翌日の朝、俺は県軍区に戻る。俺がいなくなったら、ここのことをよろしく頼むよ、兄弟!ありがとう!」
健太はふんと鼻を鳴らした。「それは俺の義務だ。お前には関係ない!」
俊均はもう何も言わず、道端に立ってジープが砂埃を上げて走り去るのを見送った。
夜9時過ぎ、真理子が自習から戻ってくると、健太がすでに莞市に帰ったことを知ったが、特に驚きはしなかった。彼はいつもそうで、昼に来て夜に帰るのだった。
部屋には自分と俊均の二人だけが残り、突然少し居心地が悪くなった。
23歳の俊均は、あの成熟さや深遠さ、そして二人きりの時だけ見せる淡い憂鬱さがなくなっていた。また、あの複雑で重々しい、彼女にはよく理解できない眼差しもなかった。今の彼の目は明るく輝き、夜空の星々に匹敵するほどだった。端正な顔には人を安心させる笑みを浮かべ、軍服の上着を脱ぎ、白いシャツだけを着て袖をまくり上げ、水の入った重いバケツを軽々と持ち上げていた。強健な体と敏捷な動き、男らしさに満ちた俊均を見るのは真理子にとって嬉しいことだったが、なぜか一時的に適応するのが難しかった。
俊均は真理子が何に悩んでいるのか知る由もなく、彼女のために二つのバケツにお湯を用意し、お風呂に入るよう促した。
真理子は言った。「こんな天気なら、冷水で十分よ」