彼女は着替えを取りに部屋に入ったところだった。リビングから差し込む明かりが十分に明るかったので部屋の電気をつける必要がなく、さらに黒田俊均が新しい蚊帳を吊るしてくれたこともあり、気づかなかった。まさか彼が蚊帳を吊るしただけでなく、自分のベッドを完全にひっくり返していたとは!
自分がなぜ布団を花のように折りたたんで真ん中に置いていたのか?それは月曜日に突然初潮が来て準備ができておらず、シーツを汚してしまったからだ!ちょうどこの数日間はいくつかのテストの準備をしなければならず、汚れた場所にタオルを敷いておいただけだった。土曜日に片付けて洗濯するつもりだったのに、まさか黒田俊均が来て、普通の人とは違う行動をとり、おせっかいなおばさん以上におせっかいだなんて……
黒田俊均は真理子に押されてよろめき、少し驚いた。油断していたとはいえ、女の子のこの力はかなりのものだ。
「枕の下の日記帳かい?机の真ん中の引き出しに入れておいたよ。これからはベッドに伏せて日記を書くのはダメだ。心臓に負担をかけて体に良くない。シーツや枕カバーにインクが染みついてるじゃないか。字を書いたり本を読んだりするのは机でやって、ベッドに入ったら直接寝るんだ!」
「私の習慣なのに!」
「それは悪い習慣だ、直さないと!」
「あなた……私の日記、見なかった?」
黒田俊均は軽く笑った。「安心して、僕は個人の秘密を尊重するよ。日記帳と引き出しはちょっと開けただけで、読んでないよ!明日引き出しに鍵をつけてあげようか?」
真理子:……
誰が鍵なんて必要としてるの?本当に大切なものはすべて宝珠の異空間に入れてあるし、あの日記帳なんて、見られたって構わないわ。先生に書くように言われただけで、毎日少なくとも500字書いて、文章力を練習して蓄積するためのもの。時間に余裕があって気分が良ければ生活の感想を書くけど、そうでなければただの流れ作業の記録になるだけ。
黒田俊均はベッドを整え、真理子を横たわらせた。「休みなさい、明日は早起きして学校に行かないと。」
真理子は嫌そうに蚊帳に触れた。「これ好きじゃないわ、覆われてると息苦しく感じる。」
黒田俊均は眉をひそめた。「蚊帳をかけると息苦しい?体に何か問題があるんじゃないか?明日休みを取って、莞都病院で検査してみよう。ダメなら県庁所在地まで行って……」