吉田暁文は怠けることなく、すべての仕事を白石俊帆に押し付けるようなことはしなかった。彼女自身も買い物が好きだったので、すぐに白石俊帆と一緒に街に出て、女の子が食べたり使ったりするものをたくさん買い、二つに分けて田原雅子と佐藤真理子に持っていくことにした。
暁文が主導権を握っていたので、俊帆は支払いを率先して行う以外は多くを言うことができなかった。結局は女の子のものだし、暁文よりも詳しいと見せるわけにもいかなかった。
ただ、暁文が二人の女の子のために荷物を分けて詰める様子を見ていると、大小二つの旅行バッグのうち、最も大きく、最も充実した内容のバッグが雅子に、真理子のバッグはその半分の大きさだった。俊帆は再び吉田おばさんの奇妙さに内心で嘆息した——普通は実の子を可愛がるものだが、吉田おばさんは養女を実の娘以上に溺愛していたのだ!
実際、暁文の考えはそれほど複雑ではなく、意図的にそうしているわけでもなかった。彼女は真理子が田原おばあさんの世話を受けており、お金や物資の送付も欠かさず、田原青雲も特別に会社の住宅を借りてやっていることを知っていた。生活面でも物質面でも雅子よりずっと恵まれていたので、母親として自然と雅子に傾くのは当然だった。
俊帆はこれらの事情を知らなかった。彼自身も他人の養子として育ち、養父母は彼に良くしてくれ、彼と谷村柳子を平等に愛してくれた。しかしそれは彼を半分息子、半分「婿」として見て、老後の面倒を見てもらうことを期待していたからだった。一方、吉田おばさんの雅子への愛情は真理子をはるかに超え、真理子について話すときには嫌悪感さえ漂わせていた。俊帆はこれについて考え、一つの結論に達した:この実の母娘は合わないのだ!おそらく真理子も吉田おばさんを好きではないのだろう!
県庁所在地から莞市への道中、俊帆は慎重に考え、最終的に決断した——二人の女の子に会ったときには別々の説明をしよう。真理子には、白石家と田原家が代々の友人関係にあり、兄としての立場で彼女を訪ねてきたと強調し、吉田おばさんについては軽く触れるだけにしよう。