第276章 自分で解決する

田原青雲は親族の新年会に参加し、久しぶりに気の合う幼馴染に出会って、つい嬉しくなり、知らず知らずのうちに飲みすぎてしまった。主人が彼を田原邸まで送り届け、田原おばあさんが真理子の作った二日酔い防止のお茶を一杯飲ませると、酔いによる不快感はすべて消え、彼は快適に安らかに眠り、翌日の午前8時過ぎまで目を覚まさなかった。

田原青雲はカレンダーを見て、今日は旧正月の三日目だと気づき、吉田暁文が吉田邸に行くと言っていたことを思い出した。彼は田原おじいさんに一言伝えると、おじいさんは夫婦で先に行って状況を確認するよう言った。青雲は朝食も取らずに急いで東京ホテルに戻ったが、部屋は静まり返っており、母娘の姿はどこにも見当たらなかった。

朝早くから彼女たちはどこに行ったのだろう?テーブルの上にもメモは残されておらず、青雲はホテルのレストランに降りて探し、フロントのスタッフに尋ねると、あるスタッフが午前8時頃、母娘が小さなバッグを肩にかけてホテルを出て行くのを見たと言い、おそらく街に遊びに行ったのだろうとのことだった。

青雲は一人で車を運転して吉田邸に行き、その庭を二周ほど歩き回ったが、それが原因で敷地内の数軒の住人たちに泥棒と間違われそうになった。暁文を待っても現れなかったので、仕方なく車で立ち去り、後でまた来ようと思った。ところが街で中学時代の同級生に出会い、何年も会っていなかったので少し興奮し、どこかで座って話そうと約束したところ、同級生の家に連れて行かれ、さらに他の旧友たちも集まってきた。家の二人の年配者と女性、子供たちが熱心に食事の準備を手伝い、その厚意を断れず、青雲は座って旧友たちと酒を酌み交わしながら話し込んだ。

別れを告げて出てきたときには既に午後3時で、青雲は酔いを帯びたまま再び吉田邸に行ってみたが、やはり暁文の姿はなく、東京ホテルの客室に戻っても母娘の姿はなかった。酒の後の眠気が襲ってきたので、ベッドに倒れ込んで頭から布団をかぶり、何も考えず、また考えられなくなった。