彼女はこの老いぼれたろくでなしどもを憎んでいた。彼らに何の資格があるというのだ?彼女の大切な孫娘に頭を悩ませて診療させるなんて?
前回、真理子が誠一の言うことを聞いて、吉田玄太に処方した十服の薬について、片方青葉はそれを知ると非常に憂鬱になった。田原仁謙が慰めて諭し、誠一には誠一なりの考えがあると言い、また真理子は医学を学んだからには、救命扶傷の天職を担わざるを得ないと言った。外祖父の立場を考えなくても、病人の苦痛を取り除くことは功徳を積むことであり、真理子にとっても良いことだと。
青葉はそれに同意しなかった。「私の孫はまだ小さいわ。一つには修行を終えていないし、二つには学校も卒業していない。どうして急いで天職を担う必要があるの?功徳を積みたいなら、後で彼女が本当の医者になってから、毎日患者と向き合えば、その功徳は際限なく積めるでしょう!世界中にはそんなに多くの人がいるのに、吉田家のこの数件が何の急ぎがあるというの?九牛の一毛にも満たないわ!」
仁謙はいつも妻に言い負かされるので、彼女の好きにさせておいた。どうせ今は彼も吉田家の人々を良く思っていないし、ただ口先だけで彼らのために二言三言言うのは、自分の公平心に負けただけだった。
結局のところ、常に血縁の絆があるからだ。もし玄太と真実という外祖父母がいなければ、真理子もいなかっただろう。
しかし妻は頑固だった。彼女の考えも間違っていない:自分の孫娘がもう少し油断していたら、とっくに吉田暁文にひどい目に遭わされていただろう。場合によっては、この世に存在しているかどうかさえ分からなかったかもしれない!だから、真理子と吉田家の関係において、実際には何の借りもないのだ!
逆に、詳しく調べれば、吉田家こそが真理子に、田原家に借りがあるのだ!