黒田一家がどう思おうと、真理子は自分のおばあさんが面白くて楽しい人だと思い、思わず小声で尋ねた。「黒田おばあさんに、調子に乗ってると言われないか心配じゃないの?新しい親戚ができたからって、自慢してるって。黒田おばあさんには三人のお嫁さんがいるのよ」
田原おばあさんは孫娘を軽く叩きながら笑った。「私はね、調子に乗ってるのよ。彼女に何ができるっていうの?私には二人の嫁がいて、一人はたいしたことないけど、彼女の三人の嫁のうち、福永慧蘭はまあまあだけど、他の二人はどうなの?親戚比べでも彼女には勝てないわ。少なくとも私は麗美お母さんと話が合うし楽しいけど、黒田おばあさんの三人の親戚のお母さんたちは、誰一人として彼女と話が合わないでしょ!」
真理子は「……」と言葉を失った。
自分のおばあさんは本当に強くて自信に満ちていて、打ちのめされることがないんだな。
しかし真理子はおばあさんが小さな器だとは思わず、むしろこの態度は当然だと感じていた。前回のあの出来事は本当に腹立たしかったのだから。確かに黒田おばあさんには関係なく、彼女自身もそんな状況を望んでいなかっただろう。だが最初の彼女の態度は明らかに嫁と孫娘をかばうものだった。もし田原おばあさんがその場にいなかったり、性格がもっと弱かったりしたら、真理子は黒田おばあさんに叱られていたかもしれない。「落ち着きがなく、お客さんがいるのに騒ぎ立てて、きちんとおもてなしもできなくなって、あそこは普通の家庭じゃないのよ…」と。さらに、幼い頃から甘やかされて育った自分の大事な孫娘がそのために厳しく罰せられたのだから、おばあさんとしては心を痛め、陰で真理子を恨んでいたかもしれない。
脳内補完という神技の下では、考えることはすべて起こりうることになってしまうものだ。
黒田おばあさんはこれまで田原おばあさんには勝てなかったが、諦めることなく黒田おじいさんと一緒に毎日田原家を訪れ、黒田お父さんと黒田お母さんも頻繁に来るようになった。田原おじいさんの助けもあり、田原おばあさんはついに折れて、真理子の入学前日、家族全員で黒田邸を訪れた。両家族は一日中楽しく過ごし、黒田おじいさんと黒田お父さん、黒田お母さんは真理子兄妹と欽也が冴香を連れて庭で鬼ごっこをし、キャッキャと笑い声を上げて遊ぶ様子を見て、やっと安心したようだった。