第85章 野井北尾、あなたはすごいね

田口優里は妊娠してから、つわりがないことをとても幸運に思っていた。

妊娠前と違うところを言うなら、それは眠くなりやすくなったことだ。

そして空腹になりやすくなった。

時には食べたばかりなのに、またお腹が空いてしまうこともある。

仕事中は仕方がない、疲れていても我慢するしかない。

でもお腹が空くのは本当に辛い、もしかしたらお腹が鳴って、患者に聞こえたらどんな印象を与えるだろうか。

だから最近、田口優里はオフィスにスナックを置いておき、どうしてもお腹が空いたら少し口に入れるようにしていた。

お腹いっぱいにはならないが、それでも役に立っていた。

しかし今夜は三井和仁と一緒に健康的な食事をとったが、とても淡白で、数時間経った今、彼女はひどくお腹が空いていた。

彼女が口を開くと同時に、お腹も負けじとグルグルと音を立てた。