第173章 さらに衝撃的

田口艶子は実は嘘をついていなかった。彼女は本当に画展を開く先生がいたのだ。

偶然にも、このリゾート村でパーティーを開く二世祖は、この先生の絵をとても気に入っていた。

招待状を二枚送らせてきたのだ。

先生はもう六十歳近くで、当然若者たちとこのような場に混ざりたくはなかった。

そこで招待状を自分の娘に手渡した。

田口艶子がこの先生の画展に来られたのは、先生が彼女を評価していたからではなく、先生の娘である田村文香と彼女の関係が悪くなかったからだ。

この関係は、田口艶子が大金をかけて維持してきたものだった。

田村文香が墨都に行くと、彼女は服やジュエリー、バッグを贈った。

何とかこの友情を維持することができた。

案の定、田村文香は招待状を手に入れると、彼女を誘った。

ただ、行く前に、その夜着るドレスを買いに行くと言い出した。

言うまでもなく、支払うのは田口艶子だ。

田村文香の父親は有名な画家だったが、人としては古風で、贅沢や浪費を良しとせず、そのため田村文香に渡す小遣いはごくわずかだった。

田村文香はやっと見つけた太客だから、当然できる限り利用しようとした。

田口優里はここで田口艶子に会うとは思っていなかった。

三井和仁によれば、今日ここに来る人たちは、基本的に東京の顔役ばかりだという。

三井和仁がそう言うなら、来る人たちは本当に家柄の良い人たちに違いない。

だから田口艶子を見たとき、彼女はとても驚いた。

同様に、田口艶子も田口優里がこのような集まりに参加できるとは思っていなかった。

彼女は田口優里が三井和仁の腕を組んで入ってくるのを見て、目が点になった。

田口優里はどうしてそんなことができるのか?

公然と野井北尾に浮気されているのか?

また、田口艶子は今回が三井和仁と初めて会う機会だった。

以前彼の写真を見たことがあっても、実物を見ると、その美しさに驚かされた。

三井和仁は野井北尾よりもさらにハンサムだった!

野井北尾がはっきりとした輪郭の美しさなら、三井和仁は中性的な美しさを持っていた。

野井北尾が冷たさなら、三井和仁は傲慢さだった。

三井和仁が人を見るとき、それは神が蟻のような衆生を見下ろすようだった。

田口艶子は彼に話しかける勇気すらなかった。