第245章 人を失望させる

下村青葉も馬鹿ではない。

この道理は当然知っている。

彼らは以前、松下晴彦を掌握しようと考え、ずっと松下晴彦に「鈴木家の人がどれほど良く、どれほど忠実か」という思想を植え付けていた。

松下晴彦も確かに祖母の実家の人々に特別良くしていた。

少なくとも松下牧野よりずっと良かった。

松下晴彦はさらに鈴木元男の言うことを何でも聞くようになっていた。

だから松下晴彦が目覚めるかどうかは、鈴木家にとってはそれほど重要ではなかった。

目覚めても良い、彼は今後鈴木家を粗末にはしないだろう。

目覚めなくても、さらに良い。松下家の莫大な財産を継ぐ者がいなくなれば、彼らが唯一の受益者になる。

今はさらに面白いことになった。松下晴彦が松下牧野の息子ではないというのだ。

ならば彼が目覚めるかどうかは、さらに重要ではなくなった。