田村若晴は人を連れて部屋に戻り、二人が入って、ドアを閉めるとすぐに、岡田羽一は彼女の腰を抱き寄せ、ドアに押し付けてキスをした。
昨日、実験室を出た後、田村若晴と連絡が取れず、彼は心が落ち着かなかった。
来る途中、彼は思わず余計な心配をしてしまった。
朝村和緒と田村若晴が笑い合っているのを見て、彼はその場で思わず手を出して殴りそうになった。
今、すべての不安、嫉妬、思慕、心配が、このキスに込められていた。
彼は目の前の女性に狂ったようにキスをし、その力強さは、まるで彼女を丸ごと飲み込もうとするかのようだった。
田村若晴は、ほとんど初めて岡田羽一の乱暴さと強引さを感じた。
彼女は男の親密さと欲望を強いられ、応える機会さえなかった。
岡田羽一は長い間キスをした後、彼女を抱き上げ、中へ歩いていった。
ホテルの大きなベッドは広々として柔らかく、彼は彼女をそこに寝かせ、すぐに田村若晴の上に覆いかぶさった。
「甘子……」彼はかすれた声で呼んだ。「どうして僕を置いていったの?前に一緒に正月を過ごすって言ったじゃないか。」
田村若晴は彼のキスでほとんど息ができなくなり、今は急いで呼吸していた。
岡田羽一の大きな手が田村若晴の腰に落ち、彼女の滑らかな肌に触れた。
「甘子」岡田羽一の呼吸も荒く、息は熱かった。「わざとだろう、そうだろう?」
彼のキスは、一つ一つ田村若晴の唇の端に落ちていった。
田村若晴は彼の切迫感と体の変化を感じた。
しかし、そうであっても、岡田羽一は次の行動に出なかった。
彼は熱い視線を向けながら、自分の衝動を抑えていた。
田村若晴の呼吸はゆっくりと正常に戻り、水面のように揺れる瞳で彼を見つめた。
しかし岡田羽一の呼吸は、どうしても落ち着かなかった。
彼は深く息を吸った。「甘子、僕を死ぬほど苦しめるつもりなの?」
田村若晴は口角を上げた。「私がどうやってあなたを苦しめたの?旅行に出るときもメッセージを送ったわ。会ったとたんにこんなに荒々しくて……」
彼女は言い終わると自分の唇の端を指さした。「舌まで痛くなったわ」
「ごめん」岡田羽一は彼女の唇の端にキスをした。「さっきあの同級生を見て、頭がおかしくなりそうだった」
「どうして?」