第49章 仕事と休息のバランス

鈴村烈と川木信行の仕事スタイルはかなり異なっていた。

川木信行は一日中仕事ばかりだが、鈴村烈は仕事と休息のバランスをよく理解していた。

奥田梨子はソファに座り、スマホでフルーツカットのゲームをしていた。

寝室のドアが開いていた。

仕事と休息のバランスを知る鈴村烈は、中で囲っている奈ちゃんと一緒にいた。

彼女はこの秘書として、ソファに座り、彼が終わるのを待って一緒にパーティーに行くつもりだった。

彼女はあまりにも仕事熱心だった。

鈴村烈はタバコを口にくわえ、濃い眉と冷たい目つきで、かがんで床から拾ったズボンを履いた。

二本の柔らかい腕が彼の腕を抱き、甘い声で「今夜は泊まっていく?」と言った。

彼女は男の筋肉質な体を見て、手を伸ばして触れようとした。

鈴村烈はベルトを締め、彼女の手を払いのけ、かすれた声で「今夜は無理だ」と言った。

彼の筋肉質な胸にはまだ痕跡が残っていた。彼は寝室を出て、奥田梨子に「奥田秘書、服を」と呼びかけた。

奥田梨子は反射的に手首の時計を見た。

まだ時間は大丈夫そうだった。

奥田梨子は立ち上がり、ソファに置いてあったスーツを鈴村烈に渡した。

彼の素晴らしい体つきを見ても、彼女は顔を赤らめることも、動揺することもなかった。

鈴村烈は彼女の前に来て、身をかがめ、眉を上げて「お前は本当に女か?」と言った。

彼のこの姿を見ても、彼女の目は一瞬も揺らがなかった。

奥田梨子は気だるげな口調で、美しい瞳を輝かせながら「私は女じゃないわ、以前は男だったけど、手術したの」と言った。

鈴村烈は目を伏せ、彼女の胸元を見つめた。彼女は今夜のパーティーのために黒いマーメイドドレスを着ており、それが彼女の鎖骨を美しく引き立てていた。

彼は奥田梨子の皮肉めいた笑みを見て、軽く舌打ちし、服を取って着替えに行った。

今夜はパーティーに参加する予定で、鈴村烈の女性同伴者は奥田梨子だった。

二人が家を出ると、外はすでに暗くなりかけていた。

車は出発し、今夜のパーティー会場に到着した。

奥田梨子は鈴村烈の腕を取り、パーティー会場に入った。

隅に座っていた畑野志雄は、片手をソファの肘掛けに置き、もう片方の手でタバコを挟み、少し退屈そうにしていた。