会社にいた奥田梨子は山田青子からの電話を受け、少し不思議に思った。
山田青子が鈴村烈のお母さんが彼女と話したいと言っていると伝えたとき。
奥田梨子は眉を上げ、疑問に思いながら「いいですよ、明日の午後6時で」と言った。
山田青子はオークションハウスから届いたアクアマリンのネックレスを見ながら、微笑んで「ありがとう、奥田秘書、このことは烈さんには言わないでくださいね」と言った。
「わかりました」奥田梨子はまだ何の話かわからなかったので、もちろん余計なことは言わないつもりだった。
二人には他に話すことがなかったので、電話を切った。
奥田梨子は取締役会長室の方を向き、眉を上げた。彼女は書類を持って部屋に入った。
鈴村烈は電話中だった。
奥田梨子が書類を置くと、鈴村烈は電話をしながら書類を開き、素早く目を通して署名した。