「陽子さん、あそこのデザイナーたちを見て!国際的に有名なジュエリーデザイナーやファッションデザイナーよ!」
「どうして彼らが皆、深谷市に来ているの?」
涼宮陽子は川木敏子の視線の先を見た。
ちょうどグランドホテルのマネージャーが数人のデザイナーたちを連れてレストランに入るところだった。
彼女は婚約式の会場装飾を見に来たところで、国際的に有名なデザイナーたちに出会うとは思っていなかった。
涼宮陽子は婚約式の後の結婚式のウェディングドレスのことを考えた。
結婚式のドレスを国際的に有名なデザイナーに頼めたら、それは自慢できることだ。
以前なら、これらのデザイナーたちは小さな女優の仕事を引き受けなかっただろう。
しかし今の涼宮陽子は自信に満ちていた。
川木財団の会長の婚約者として、これらのデザイナーたちも多少は顔を立ててくれるだろう。