第100章 知り合い、なんて素敵

鈴村烈は今日、病院の泌尿器科に行った。

上司が不在で、奥田梨子は今日、時間通りに退社した。

彼女が車で誠心マンションに帰る途中、木村楽人から電話がかかってきた。

電話の向こうから騒がしい声が聞こえてきた。

続いて彼女は木村楽人の声を聞いた。「奥田さん、私は朝日バーの1号個室にいるんですが、絡まれてしまって……」

木村楽人の声はとても恐怖に満ちていた。

トイレのドアから叩く音が聞こえ、誰かが木村楽人を呼んでカラオケに誘っていた。

「すぐに行くわ」

奥田梨子は眉をひそめた。どういうことだろう、オレンジ芸能事務所はタレントに酒席の相手をさせるはずがない。

しかし、この件は後で状況を確認する必要がある。

木村楽人は不安そうに電話を切った。

奥田梨子はすぐにボディガードに電話し、自分はハンドルを切って朝日バーへ向かった。