第104章 死者

畑野志雄は奥田梨子が木村玉子に会いに行くと聞いた。

「ボディーガードを連れて行きなさい」畑野志雄はやはり心配で、「私も一緒に行くよ」

奥田梨子も木村玉子が罠を仕掛けているのではないかと心配していた。

だから彼女は木村玉子との待ち合わせ場所を公園に指定した。

公共の場所なら、木村玉子が何か企んでも大丈夫だろう。

「いいわ、一緒に来てください。ありがとう、畑野さん」

木村玉子は公園のベンチに座って奥田梨子を待っていた。彼女は奥田梨子が警戒していることを知っていた。

しかし奥田梨子は想像もしていないだろう、彼女は公園で何かをするつもりはないということを。

木村玉子は軽く笑みを浮かべた。

今日彼女はレトロなワンピースを着て、両手に白い手袋をはめ、華やかな雰囲気を漂わせていた。