奥田梨子は会社に着くと、まず自分の血液検査の結果を確認した。正常だった。
それから鈴村烈の血液検査の結果を彼に渡した。
彼女がオフィスに入ると、彼が眉をひそめているのが見えた。
昨日の泌尿器科の結果が良くなかったのだろうか?
鈴村烈は奥田梨子の推測を知らず、少し緊張しながら血液検査の結果を開いて見た。
結果を見ると、彼はほっと息をついた。
幸い、正常だった。
彼が報告書を置き、目を上げると、奥田梨子が何か聞きたいことがあるような表情をしていた。
「何かあるの?そうだ、私の血液検査の結果は正常だったよ」
奥田梨子は微笑んで、「おめでとうございます。ひとつ聞きたいことがあるのですが、寿村先生はまだ大丈夫ですか?別の医師に変更する必要はありませんか?どうしてもだめなら、心理科の予約も取れますが」