奥田梨子は賀来蘭子に電話をかけ、明日の昼に会う約束をした。
「蘭子、あなたは帝都市のことをよく知っているでしょう。明日の昼に誠心マンションであなたに会いに行くわ。婚約式の会場について一緒に相談したいの」
賀来蘭子は瞬時に喜びの声を上げた。「ええっ!梨さん、畑野さんと婚約するの??」
彼女は突然足を引っ込めた。鈴村烈が彼女の脚に薬を塗っていたところだった。
今夜、鈴村烈は賀来蘭子を外に連れ出したが、思いがけず彼女は小さな事故に遭ってしまった。
「うん、そう、婚約することにしたの」奥田梨子は畑野志雄が渡してくれた婚約会場の資料をめくりながら言った。彼女は中国風のスタイルが好きだった。「もうしばらくしたら、志雄が私を帝都市に連れて行ってくれるの」
畑野志雄は主に彼女を畑野家に連れて行って家族に会わせるつもりだった。