翌日の昼。
奥田梨子は誠心マンションへ賀来蘭子を訪ねに行った。
彼女は道中でランチボックスを二つとミルクティーを買った。
彼女の賀来蘭子に対する理解では、おそらく今ちょうど起きたばかりだろう。
奥田梨子は鍵を取り出してドアを開け中に入ると、賀来蘭子は彼女を見て喜んで近づき、ランチボックスを受け取った。「今日は30度以上あるわ、外はすごく暑いね。」
「そうね、暑くて死にそう。私はまずシャワーを浴びるから、先に食べてて。」
奥田梨子は誠心マンションの物を全て移動させたわけではなく、まだ服もここに残っていた。
彼女がシャワーを終えて出てくると、ちょうど賀来蘭子が食事をしながら誰かと電話で話しているのが聞こえた。
「梨さんがもうランチを買ってきてくれたわ」賀来蘭子は奥田梨子がシャワーから出てきたのを見て、電話の向こうの鈴村烈に言った。「食事するから、もう切るね、バイバイ。」