第133章 うんうんうんうん

翌日の昼。

奥田梨子は誠心マンションへ賀来蘭子を訪ねに行った。

彼女は道中でランチボックスを二つとミルクティーを買った。

彼女の賀来蘭子に対する理解では、おそらく今ちょうど起きたばかりだろう。

奥田梨子は鍵を取り出してドアを開け中に入ると、賀来蘭子は彼女を見て喜んで近づき、ランチボックスを受け取った。「今日は30度以上あるわ、外はすごく暑いね。」

「そうね、暑くて死にそう。私はまずシャワーを浴びるから、先に食べてて。」

奥田梨子は誠心マンションの物を全て移動させたわけではなく、まだ服もここに残っていた。

彼女がシャワーを終えて出てくると、ちょうど賀来蘭子が食事をしながら誰かと電話で話しているのが聞こえた。

「梨さんがもうランチを買ってきてくれたわ」賀来蘭子は奥田梨子がシャワーから出てきたのを見て、電話の向こうの鈴村烈に言った。「食事するから、もう切るね、バイバイ。」

彼女は電話を切り、少し考え込んだ。

奥田梨子は座り、自分の弁当箱を開け、眉を上げて賀来蘭子を見た。「何を考えてるの?表情がすごく真剣だけど。」

「梨さん、今回帝都市であなたたちの婚約パーティーに参加した後、もう深谷市には戻らないつもりよ」賀来蘭子はゆっくりと言った。「別の場所に行くつもり。」

奥田梨子は少し驚いて尋ねた。「どうして?」

賀来蘭子は箸を噛みながら、笑った。彼女の笑顔は純粋だった。「梨さん、私は天真爛漫かもしれないけど、そんなに馬鹿じゃないわ。私と鈴村烈の間の関係の境界線が少し危険になってきていることに気づいているの。」

彼女は野菜を一本摘まみ、とても達観した声で言った。「彼のお母さんが最近、彼のために結婚相手を積極的に探しているって聞いたわ。」

奥田梨子は鈴村烈の秘書として、もちろん鈴村烈の母親が最近彼のために結婚相手を探していることを知っていた。

ただ、彼女の推測が本当だったとは思わなかった。

この二人は.....。

賀来蘭子は笑って言った。「梨さん、私は以前恋愛をしたことがあるの。その時は彼と本当に愛し合っていると思ったけど、最終的には別れてしまった。実際、愛し合っていても最後まで一緒にいられるとは限らないのよ。」

二人はしばらく話し、昼食を食べ終えると、奥田梨子が持ってきた婚約会場の資料を見始めた。