第164章 私の姓を名乗れ!

鈴村家の旧宅。

岸本綾華と則木芳美は今回の帝都市行きについて話し合っていた。鈴村家としては山田青子に面目を潰させるわけにはいかず、当然双子に良い贈り物を送らなければならない。

話し合いが終わると、岸本綾華はお茶を飲みながら何気なく尋ねた。「お姉さん、烈の嫁候補は決まったの?」

則木芳美はため息をついた。彼女も悩んでいた。二人の息子のどちらも結婚する気がないのだ。「まだよ。私が気に入った子を、あの困った息子が気に入らないの」

「実は私、候補がいるんだけど」岸本綾華はお茶を置き、少し躊躇した後で言った。「川木敏子という子がいいと思うの」

則木芳美は一瞬言葉を失った。「彼女はダメよ」

岸本綾華は笑った。「そう言うと思ったわ。でも川木敏子を推す理由があるの。お姉さん、聞いてみて」