第184章 出会い

午後三時のことだった。

奥田梨子はお見舞いの品を持って病院に向かった。

山田青子はノックの音を聞いて、ドアを開けた。奥田梨子を見た瞬間、彼女は笑顔を引き締めた。「あら、森田さんですね。」

奥田梨子は山田青子に会うとは思っていなかった。彼女はうなずいて、「金城夫人にお見舞いに来ました」と言った。

山田青子は実のところ、奥田梨子が金城夫妻とよく会うことをあまり望んでいなかった。

金城夫人はベッドに寄りかかっていた。奥田梨子が来たのを見て、優しい声で言った。「青子、早くお客様を中へ通して。」

山田青子は道を開けた。

奥田梨子は微笑みながら中に入った。

入ってから初めて、病室にはまだ二人の子供がいることに気づいた。心の中で何となく予感があった。

奥田梨子はお見舞いの品をテーブルの上に置き、「金城夫人、今日のご気分はいかがですか?」と尋ねた。