第264章 大バカ野郎

奥田梨子はアイアコの話を聞き終わると、しばらく黙り込み、冷静に言った。「わかりました。水曜日にメルボルンに行く手配をします」

「奥田社長、その時にお会いしましょう」アイアコは電話を切った。

電話を切った後、奥田梨子は携帯電話を見つめたまましばらく呆然としていた。

梨志財団か?

奥田梨子は眉間をこすった。

彼女は寿村秘書に電話をかけた。「寿村秘書、来週の水曜日にメルボルンでのACCテクノロジーサミットに出席する必要があります。行程を手配してください」

寿村秘書はすぐに応じた。「かしこまりました、社長。すぐに手配します。私と岡部俊雄も一緒にメルボルンへ行きますか?」

奥田梨子はしばらく考えてから言った。「あなたは国内で森田家の人たちを監視していてください。森田おじさんの方も注意して。岡部秘書が私とメルボルンへ行きます」