第147章:聞くところによると陳姓の家だそうだ

車は次第に人里離れた方向へと向かっていった。近くの家々の庭では鶏やアヒルが飼われており、三輪車が通り過ぎる時、たまに一軒か二軒の家の前で鶏やアヒルを屠っている光景が見られた。

三輪車はかなり走ってようやく目的地に到着した。この辺りは人影もまばらで、帰りに三輪車を拾えないかもしれないという心配から、中島黙はドライバーに倍の料金を払って待っていてもらうことにした。

「たぶんこの家で間違いないでしょう」三輪車のドライバーが片側の古びた小屋を指さした。

古川真雪と黙は思わず彼の指す方向を見やり、荒れ果てた家の様子を目にした途端、二人の顔から笑みが消えた。

この家は一目見ただけで、何年も人が住んでいないことが分かった。

認めたくはなかったが、どうやら二人は騙されたようだった。

三輪車のドライバーは二人の顔に失望の色が浮かぶのを見て、好奇心から尋ねた。「あんたたち、この家で何をするつもりだったの?」

黙が答えた。「人を探しているんです」

「ここに住んでる人?」

「たぶんそうです」

「じゃあ、近所の人に聞いてみましょうか。隣人なら、この家のことや以前住んでいた人の経歴を多少は知っているでしょう」

「よろしいですか?ありがとうございます、おじさん」

「構わないよ」おじさんは手を振り、車を降りて通りを歩いていった。隣の二軒の家も空き家で、長い間誰も住んでいないようだった。

ようやく通りの端まで来たとき、人が住んでいる家を見つけた。

一通り尋ねた後、ドライバーはその家の人にお礼を言い、三輪車のところへ戻ってきた。

「この家は十数年も空いているんだ。聞いたところによると、陳という姓の家族で、後に男が交通事故で亡くなった後、女性は娘を連れて都会に再婚したそうだ。最初の数年は、その女性は正月に娘を連れて帰ってきていたけど、その後は二度と戻ってこなかったらしい。

でも、もしあんたたちが本当にこの家族を見つけたいなら、村の委員会に贈り物を持って訪ねてみるといい。彼らならこの家族の情報を持っているかもしれない」

「分かりました、ありがとうございます、おじさん」

そう言いながらも、二人の心には少なからず失望があった。何の準備もなくこの小さな村に来て、探している人を見つけられなかっただけでなく、もしかしたら騙されたのかもしれない。