人々は思わず、この間もなくオープンする予定のレストランを見回し、目には賞賛と驚きの表情が浮かんでいた。
「古川様、レストランの内装は本当に素晴らしいですね」
吉田素杏の惜しみない褒め言葉に、古川真雪は心の中で少し誇らしく思いながらも、謙虚に微笑んで答えた。「お褒めいただきありがとうございます。レストラン全体をご案内しましょうか」
「ぜひお願いします」
レストランは上下二階建てで、二階には屋外テラスがあり、そこにはいくつかのテーブルが置かれていた。天気の良い日には外で食事をしながら、美味しい料理と景色の両方を楽しむことができ、とても心地よい空間だった。
屋外テラスの他に、二階は全て個室になっており、各部屋のスタイルは少しずつ異なるものの、すべて中国風の装飾が施されていて、デザイナーの心遣いが伺えた。
一階の内装も独特の素晴らしさがあり、装飾品や家具のどれもが控えめな豪華さを醸し出していた。最も目を引くのは、おそらくホール内のバーカウンターだろう。カウンターの後ろの棚には様々な種類のお酒が並べられており、暇な時に友人と一緒に刺身を食べながら、少しお酒を楽しむのも良い気晴らしの方法だった。
古川真雪が吉田素杏をレストラン内に案内している間、雑誌社のスタッフは機材をセットアップし、これから行われるインタビューの準備を整えていた。
二人が見学を終えた頃には、スタッフも準備を完了していた。
メイクアップアーティストが前に出て、吉田と真雪の化粧を簡単に直した後、吉田は真雪にカメラの前に入るよう促した。
二人はそれぞれソファに座り、吉田は向かい側の真雪に友好的な笑顔を向けてから口を開いた。「古川様、『ルミナ』誌を代表してインタビューさせていただけることを、本当に光栄に思います」
「こちらこそありがとうございます」
「古川様、私の知る限りでは、大学卒業後は叢雲産業グループにお勤めで、結婚後は仕事を辞められたとのこと。今回、起業を決意されたきっかけは何だったのでしょうか?」
真雪の唇の端に浮かぶ笑みは優しく上品で、柔らかな照明が彼女を照らし、その周りには人を魅了する優雅な雰囲気が漂っていた。