第29章 「壁の修理」という新しいスキルをアンロック

「坊や、これで足りるかしら?他に必要なものがあれば、この婆さんに何でも言ってちょうだい」

おばあさんは彼らを少しも他人扱いせず、朝比奈初が欲しいものを気前よく与えてくれた。彼女が取り出した二袋の粉は、目測で十数キロほどあり、初はその量が多すぎるように感じた。

初:「おばあさん、ありがとうございます。私たちはただお菓子を作りたいだけなので、そんなにたくさんいただかなくても…」

おばあさんはそれを聞いて、目の中の笑みがさらに深くなった。一見すると、ベテランの風格が漂っている:「大丈夫よ、次回のために取っておけばいいじゃない。お菓子を作るなら、砂糖も必要でしょう?取ってくるわね」

おばあさんが砂糖を取りに行こうとした時、長谷川一樹は突然閃いたように、厚かましく言った:「おばあさん、氷砂糖も必要なんですが…」

「問題ないわよ」一樹が言い終わる前に、おばあさんはすでに理解していた。

【ははは、お坊ちゃんの厚かましい顔】

【このおばあさん、すごく優しいね。家に何でもあって、朝比奈さんを本当の孫娘みたいに扱ってる】

【おばあさんは自分が足りないものを渡せないんじゃないかって心配してるんだろうね。私が学校に行く時、おばあちゃんが大きな箱いっぱいの物を詰めてくれたのを思い出す。うぅ、おばあちゃんに会いたい】

【おばあさん可愛い、朝比奈さんのことを本当に気に入ってるのが分かる。家中の物を全部あげたいって感じだよねwww】

【やっぱり美人で甘い言葉を使える人は損しないね。また朝比奈さんを羨ましく思う一日】

おばあさんは少しの間中に入り、それからまた大小の袋を持って出てきた:「小豆もあるのよ。普段あまり使わないから、お菓子を作るなら餡子にでもしてちょうだい」

初はもともと桂花松糕を作るために少し粉が欲しかっただけだったのに、おばあさんがこんなに親切で、たくさんの材料を用意してくれるとは思わなかった。

「ありがとうございます、おばあさん。お菓子ができたら、持ってきますね」彼女は材料が十分あることを見て、小豆餅も作れるなと思った。

「そういえば、今日はおじいさんが見当たりませんね?家にいらっしゃらないんですか?」

おばあさんは軽くため息をついて言った:「裏で壁の修理をしているのよ」