第59章 無料の追加食事

朝比奈初は微笑んで言った。「あなたほど気にかけてないわよ。いつも私のことを見てるじゃない」

些細なことでも長谷川一樹の前では大げさに取り上げられてしまう。

一樹は冷たく鼻を鳴らした。「自意識過剰だな。俺がいつお前を見てるって?」

「見てないなら、どうしてそんなに細かいところまで観察できるの?」

「……」

昼時、八人のゲストは番組スタッフから与えられたタスクを無事に完了し、それぞれ貢献ポイントを獲得した。

初はやはり貢献ポイントの使用権を握っており、昨日と同様に卵とエビを交換し、さらにホタテと豆腐も手に入れた。

「一樹くん、今日はエビと卵の炒め物を作ってあげるわね」

一樹は少し不機嫌そうに眉をひそめ、初に返事をしなかった。

【朝比奈さんの「一樹くん」呼びがすっかり板についてるwww、でも大少爺が黙認してるからこそだよね】

【長谷川一樹の心の声:また彼女はこの話題を出すのか、マジで死にたい】

【朝比奈さんは一樹が食べたがってたエビと卵の炒め物を覚えていて、わざわざ卵とエビを交換して作ってあげるんだね】

【楽しみだな〜前回は一樹が卵を上手く焼けなかったけど、今回はエビと卵の炒め物がちゃんと作れるかな】

【長谷川一樹は前回かなり自信満々だったよね、料理はそんなに難しくないって言ってたのにwww、料理の話になると表情が変わるよね】

九十九聴と若月悠は初参加なので、初めて貢献ポイントを獲得してかなり嬉しそうだった。節約という概念もなく、欲しいものを見つけては交換していった。

彼らのグループは昆布と里芋、それにカニ、サザエ、アワビなどを交換し、ほとんど貢献ポイントを使い果たしてしまった。

「ふと思ったんだけど、君は料理できる?」

聴は食材を交換し終わった後、遅ればせながら彼らのグループではまだ役割分担をしていないことに気づいた。

悠はその言葉を聞いて、突然振り返り、少し驚いたように聴を見つめ、首を振りながら言った。「僕はできないよ。君は?」

「僕もできない」

これだけの食材を前に、悠は頭をかきながら言った。「じゃあどうしよう?」

【爆笑www、これぞ新人の証だね】

【お二人さん、飛び入りゲストとはいえ、貢献ポイントは節約した方がいいよ。明日も使うんだから。黒田監督は優しい人じゃないから、ツケは認めてくれないよ】