第63章 知能低下?

監督はこの方法が通用しないと知ると、メガホンを置いて自分の持ち場に戻った。

どうせ後でやることになるなら、先に座って少しゆっくり休んでおいた方がいい。

他の出演者たちが牡蠣を開けている間、番組スタッフは前回の生放送内容を現場で編集していた。カメラマンたちが撮影した映像はほとんど使えるものばかりだったので、編集に大きな困難はなく、後処理には少し時間をかけるだけで完成する予定だった。

しかし、編集された映像はプラットフォームで放送されるものなので、1話の長さは最大で1時間半程度に抑え、オープニングやエンディング、広告などを含めると総時間は約2時間になる。

1回の放送は3つのエピソードに分かれ、さらに特別版とおまけ編もあるが、3組の出演者に時間を割り当てる際、番組スタッフは悩み始めた。

制作チームは編集した映像を持って監督のところへ来た。「監督、第1回の見どころをすべて編集しました。時間配分をどうするか見ていただけますか」

第1回では各出演者の登場からハウス選びまでは必須だ。その後は彼らの入居状況やタスクの遂行ぶり、そして注目シーン、生放送中にトレンド入りしたものなどがある。

黒田監督は真剣に見終わった後、意見を述べた。「朝比奈初のグループにはもっと時間を割いてくれ。初日の料理や薪割り、それからゴミ拾いの後のプロセスは絶対に省略するな。重要でない部分は倍速にすればいい。他の2組はいつも通りでいいだろう」

「承知しました」

しばらくして、制作チームが前半の映像編集を終えると、再び黒田監督を訪ねた。「監督、もう一つ質問があります。あなたと朝比奈初が酒を飲み比べた夜と、値段交渉の映像も入れますか?」

監督はそれを聞いて困惑した表情を浮かべ、眉をひそめて尋ねた。「どんな値段交渉?」

彼は考えた。自分が第1回でそんなに映る場面があったのだろうか?

「貢献ポイントの配布が不公平だという部分です」

監督は諦めた表情で言った。「不公平だと言っているのに、なぜ放送する必要がある?私のシーンは全部カットしてくれ。一つも放送しないでくれ」

彼はただの裏方の監督であり、あまり多くの放送時間を占めたくなかった。さらに重要なのは、番組が放送された後に自分の恥ずかしい姿を視聴者に思い出されたくなかったからだ。