第126章 水やりするのも嫌なほど醜い(2合1)_2

「あなたが足を引っ張らなければ、この試合はもう終わっていたのよ」

斎藤彩は粘土の塊で適当に小さなカップの形を作り、それから端を整えた。カップの底は面倒くさくて作らず、そのまま提出しようとした。

「それはあまりにも手抜きじゃない?」九十九聴は彼女のやり方を見て、あごが外れそうになった。

「……」どうせこの試合はスピードを見るものであって、最終的な作品の類似度や美しさを見るわけじゃないし。

彩は最後のカップを置くと、監督がそれを見て、すぐに検収に来た。

「いいでしょう」監督は表情を変えずに頷いた。「この急須はあまり見栄えがよくないですが、少なくとも完成しています」

【マジかよ!!これでもいいの?うわーん誰が足を引っ張られたのか言わないけど】

【意外だね、うちの九十九が逆転勝利したなんて】

【朝比奈と佳織があんなに頑張って、あんなに素敵な急須を作ったのに、二人とも一位を取れなかったなんて、つらいわ】

【ルールを理解していなかったみたい。一番きれいに作ったチームが勝つと思ってた】

茶器を最初に完成させたのが斎藤彩のチームだと知り、篠田佳子の心はどこか不快だった。

彩と聴はただの寄せ集めのコンビで、二人の間に息の合った様子もなかったのに、まさかこの試合で先に順位を獲得するとは。

聴はまだ驚きから抜け出せず、信じられないという様子で口を開いた。「僕たち、勝ったの?」

「私たちじゃなくて」彩はわざわざ彼に強調した。「私とあなた、よ」

聴は突然嬉しそうな表情を見せ、目を輝かせて言った。「どうでもいいよ、とにかく勝ったんだ」

隣で長谷川一樹がこの会話を聞き、顔を上げて羨ましそうな視線を送った。

朝比奈初はちょうど彼の気が散っているのを見て、そっと注意した。「集中して。相手が一位を取ったからって諦めるの?」

彼の動きが遅くなったのに気づき、初は彼が何を考えているか分かった。

彼らと篠田姉妹はまだ勝負できる。

今諦めるのは早すぎる。少なくとも二位の座はまだ争えるはずだ。

一樹は彼女に言われた後、頭を下げて自分のカップ作りを続けた。

しばらくして、一樹と篠田姉妹も今回の課題を完成させた。