第149章 飴細工

朝比奈初は最も対処が難しい人が自分の側にいると思っていたが、今になって気づいたのは、他の二組の内部矛盾が彼らが想像していたよりもはるかに複雑だということだった。

そう考えると、彼女は長谷川一樹がネットで言われているほど悪くないと感じた。

一樹は表面上は不機嫌そうに見えるが、いくつかの面では彼はかなり良くやっていて、選択をする時には積極的に先に初と相談するようにしていた。

初がときどき自分の考えを主張しても、一樹は最終的に彼女の側に立ってくれる。

彼らはこの番組を通じて正式に接触したのであり、まさに二人の見知らぬ人が番組収録のために組んだのだ。彼らの行動はありのままに皆の前に展開されている。

彼女と一樹はお互いに相手に面倒をかけることはなく、初期のタスク遂行時にはあまり交流はなかったが、だからといってこのような小さなことで争うわけでもなかった。

九十九聴はすでに疲れ果ててソファに崩れ落ち、心の疲労感が顔に表れていた。「疲れすぎる。もう二度とリアリティショーには出ないよ」

聴がプロの試合で腕前を発揮し、最優秀選手に選ばれて以来、彼はすぐにeスポーツ界のホットな選手となり、その後いくつかの広告契約を結び、正式にエンターテイメント業界の人々と接触するようになった。

聴は多くのバラエティ番組に出演しており、彼の身分について誰も言及しなければ、彼の容姿と身長から、きっと人々は彼をエンターテイメント業界の新星だと勘違いするだろう。

初は彼を一瞥し、親切に忠告した。「ちゃんと学校に行って、それから集中して試合をするといいよ」

聴は考え深げにうなずき、突然ソファから立ち上がった。「ゲームこそが俺の一番の愛だ。自分で家で配信できるのに、なんでここで嫌な思いをする必要があるんだ。荷物をまとめるぞ、明日の朝一で帰る」

言い終わると、聴はすでに自分の部屋に戻って荷物をまとめ始めていた。

リビングには一樹と初だけが残された。

一樹はいつも話が少なく、ずっと黙って横に座り、ちょうど取り戻したカップをぼんやりと見つめていた。

明日は帰る日だ。毎回終わりが近づくと帰る時、一樹は初が何回目まで続けられるかを考えていた。後半になればなるほど、彼はかえって考えることが多くなっていた。