第36章 小学生に給食を配る

この時、バスケットコートは特に賑やかで、拍手と歓声が次々と響いていた。

長谷川一樹が先ほど失礼な発言をしたため、子どもたちの不満を買い、どうしても彼に皆の前で実演してもらわなければならなくなった。

一樹が「誰を見下してるんだ」と言った後、子どもはバスケットボールを彼に渡した。「自慢なんて誰でもできるよ。もし3回連続でシュートが入れば、信じてあげる」

一樹はその言葉を聞いた時、かなり軽蔑的な態度だった。最初は子どもと争うつもりはなかったが、バスケットコートにいる多くの人が彼の言葉を聞いていたため、もし彼がそうしなければ、他の人も騒ぎ立てるだろう。

自分が自慢していないことを証明するため、一樹はバスケットボールを受け取り、二回ドリブルをしてから両手でボールを持ち上げ、手首を軽く外側に返した。ボールは空中で放物線を描き、すっきりとゴールに吸い込まれた。

誰も一樹が最初の試みで成功するとは思っていなかった。特に彼がシュートする時の落ち着いた様子は、まるで結果をすでに把握しているかのようだった。

【お坊ちゃんは本当に実力があるんだな。私は先ほど早とちりして笑ってしまったことを認める】

【私の目は間違っていないよね?今のシュートは本当に長谷川一樹本人が決めたの?】

【5毛賭けるけど、たぶん適当に投げたらたまたま入っただけじゃないかな(笑)】

【まずい、朝比奈さんのそばにいるお坊ちゃんを長く見ていると、彼のあんな自信満々な姿が見られなくなる】

一樹が何の苦もなくシュートを決めるのを見て、その子どもはまだ信じたくないようで、ボールを拾いに行き、再び一樹に渡した。「ダメだよ、さっきは近すぎたから、やり直し」

一樹「……」

彼は仕方なくボールを受け取り、スリーポイントラインまで歩いて再びシュートを放った。再び成功した。

バスケットボールが予想通りゴールに入ると、皆は驚嘆の声を上げ、彼に拍手を送った。

もし一樹の最初のシュートが運によるものだとしたら、今回は間違いなく技術だった。

一樹は周りの人々の喜びに満ちた様子に対しても、相変わらず平然としていた。

彼は隣の小さな太った子を見て、冷たい声で言った。「小僧、これで納得したか?」

子どもはぼんやりと頷き、まるでまだ一樹のシュートの光景から抜け出せないかのように、我に返っていないようだった。