第219章 不意打ち

検閲通路が開く前に、みんな時間を利用してウォーミングアップをした。

検閲の時間になると、長谷川千怜は検閲員からナンバー付きのユニフォームを受け取り、その番号に従って自ら4番レーンに立った。

競技場の外には多くの見学者が集まり、自分のクラスの選手を応援していた。場の雰囲気は非常に盛り上がっていた。

長距離走の競技は毎年参加者が少なく、大学の運動会で最も人気のない種目となっていた。現代の学生はあまり運動せず、体力が低下し続けているため、学生の安全と健康を考慮して、学校側は女子3000メートル走と男子5000メートル走を廃止していた。

これらの種目が廃止されても、この1500メートル走は学生たちにとって依然として恐れられる存在だった。

中長距離走に参加する勇気のある学生のほとんどは陸上部のメンバーだったが、多くの選手の中で、千怜の細い腕と脚、そして身長はどれも優位性を持っていなかった。

この時、空撮用ドローンも既に位置について、ライブ配信プラットフォームでの視聴者数は1万人を超えていた。

オンラインでのライブ配信は学校の雰囲気を広め宣伝するためであり、同時に学生や保護者により良い視覚体験を提供し、現場の混雑を避けながらも競技を見られるようにするためだった。

コメント欄で活発に活動しているのは主に参加学年の学生たちで、女子1500メートル走で誰が1位を取るかをオンラインで予想していた。

競技場は400メートルの標準トラックで、このグループの競技には合計8人の選手がいた。オンラインで観戦している学生たちは、勝つ可能性が最も高い選手の番号を画面上に表示していたが、千怜の4番だけが言及されていなかった。

【6番に賭ける、彼女は絶対勝つ!聞かないで、聞かれたら彼女が一番美しいから!!】

【いやいや、2番が一番強いでしょ、彼女は去年女子中長距離走のナンバーワンだったんだから】

【5番に少し賭けてみる、去年は2番と2.08秒差だったから、今回は逆転できるかも】

……

スタートとゴールの二人の審判が統一指示を受け取り、学生のタイムを計測する準備をしていた。突然、スタート直前に、高柳萌が傘を差しながらトラックの外に立ち、「長谷川千怜、頑張れ!」と大声で叫んだ。