第108章 あの人はいないの?

その間、他のゲストたちもそれぞれの宿泊先へと向かっていた。

朝比奈初は手に持った写真を見ながら、道標に従って家を探していた。

村の家々は密集しており、各家庭が非常に近接していた。道も狭く、二、三人が並んで歩くだけでほぼ道を塞いでしまうほどだった。

初は長谷川一樹たちと一緒に歩いていた。家が近かったため、道順は同じだったからだ。

ここの家々はとても高く、両側の家の玄関はすべて道路に面していて、中の様子はまったく見えなかった。さらに足元のレンガ敷きの道はでこぼこしており、ゲストたちのスーツケースにはとても不親切だった。

約10分ほどで、初が最初に自分の宿泊先を見つけた。

「着いたわ」初はスーツケースを玄関前に置き、ドアを軽く押すと開いた。

九十九聴:「僕たちの家はもう少し先だね。前の交差点を曲がればすぐだと思う」

初は二人を見て、静かに言った。「先に家を探してきて。また後でね」

一樹はこの道中ずっと黙っていた。また、なぜか聴と一緒に泊まることになったことについても、斎藤彩のように理不尽な態度を取らなかった。初がこうしたのは問題解決を手伝うためだと分かっていたからだ。

「また後で」初がスーツケースを中に運び入れるのを見てから、一樹と聴は家探しを続けた。

初が中に入ると、内部の環境はそれほど悪くなく、梁の構造には江南風の趣があった。

彼女は家の中を大まかに見て回り、適当に部屋を選んでスーツケースを運び込み、荷解きを始めた。

彩が今どこにいるのかは、彼女にもわからなかった。

一方その頃……

斎藤央はちょうど追加撮影を終え、休憩時間にスマホをチェックしていると、突然バラエティ番組のライブ配信の通知が表示された。

彩の名前が通知のタイトルに載っているのを見て、央は興味本位でクリックしてみた。

意外なことに、央は二つの配信画面を見ることになった。左側は初、右側は彩だった。

現在、彩は重いスーツケースを引きずり、彼女の後ろにはおばあさんがついていた。

【カメラマンお疲れ様。この姉ちゃんの撮影担当になるなんて不運だね】

【彼女の行動は謎だらけだね。番組の指示に従わず降板するかと思ったのに、まさか村の留守老人に泊めてもらおうとするなんて】