長谷川彰啓の言葉を聞いた後、周防隼人はまるで頭から冷水を浴びせられたようだった。
周防は笑みを引き締め、少し悔しそうな表情で、心から長谷川にアドバイスした。「たまには黙ってイケメンやってるだけでいいと思うよ」
「もういいよ、恥ずかしいところ見せるな」江川航は軽く隼人の肩を叩き、慰めるように言った。「あとで見せ場はあるから」
おそらくこの個室には気品のあるイケメンばかりが集まっていたからだろう。彼らの楽しげな会話を聞きながら、給仕係の動きはだんだんと遅くなり、部屋にもう少し長く居たいという様子だった。
最後の皿を片付け終わると、二人の給仕係はカートを押して部屋を出るしかなかった。
個室のドアを出るやいなや、彼女たちの興奮は抑えきれなくなった。
「すごい、朝比奈さんが私たちのレストランで食事してるなんて!」一人の女性スタッフは喜びに顔を輝かせ、隣の同僚に話さずにはいられなかった。「本人、本当に肌白くて、綺麗だよね」
「そうだよね、それに一緒に食事してた四人の男性たち、みんなイケメンだし、声も素敵で...」
もう一人の女性スタッフも夢見心地で言った。「さっき朝比奈さんの隣にいた高級感漂うイケメン、気づいた?彼のオーラは他の全員を圧倒してたよ。まさに歩くフェロモンって感じ」
「うん...さっき彼の前でお皿を下げる時、顔を上げる勇気もなかった。なんか近寄りがたいオーラを出してるのに、朝比奈さんの隣に座ってても全然違和感ないんだよね!」
「それは朝比奈さんの天才的な美貌があるからこそ釣り合うんじゃない?他の人だったら完全に背景になっちゃうよ」女性はため息をつき、空想に耽った。「私も四人の男性と食事して、そのあとみんなでスポーツするなんて、幸せすぎる」
「何を羨ましがってるの?彼女、お金持ちの家から捨てられた身なのに、堂々と他の男たちと食事してるなんて。これが広まったら、また叩かれるんじゃない?」
「もしかしたら彼らは全員朝比奈さんの友達かもしれないじゃん」
……
レストランを出る前に、朝比奈初はトイレに立ち寄った。
個室では、四人の男性たちが雑談を始め、これからバドミントンをする時のチーム分けについて事前に相談していた。
人数が多いため、黒崎雄介はダブルスを提案した。