第198章 彼を待って食事する?

長谷川家の両親が飛行機で到着した日の午後、長谷川彰啓が会社にいる以外は、朝比奈初たちは皆家にいた。

一樹は最近料理教室の先生から習った数品を家で披露しようと、少し調子に乗っていたようで、今日の夕食は自分が担当すると豪語していた。

「最近いくつか料理を習ったから、みんなに食べてもらいたいんだ」

ちょうど土曜日で、千怜も家にいた。一樹が今日の夕食を担当すると聞いて、彼女は真っ先に反対した。「あなたのその程度の腕前で恥をさらさないでよ」

「俺の料理の腕前がそんなに悪い?」

「悪いどころじゃないでしょ」

「……」結局、一樹の料理担当の計画は千怜によって台無しにされ、運転手と一緒に空港へ迎えに行くことになった。

「あなたの次男は料理に情熱を注いでいるようね」一樹が出かけた後、料理の任務は自然と初が引き継ぐことになった。

「知らないでしょ?」千怜はソファにだらしなく寄りかかり、半分かじったイチゴを手に持ちながら言った。「この前、お兄ちゃんが帰ってきて、彼に料理教室を申し込んだの。この数日間ずっと外で料理を習っていて、きっと少しだけ学んで帰ってきて、みんなに披露したがっているのよ」

初は少し驚いた。「彰啓さんが申し込んだって?」

どう見ても彰啓がやりそうなことには思えなかった。

「疑わないで、これはお兄ちゃんのアイデアよ。次回あなたたちが番組の収録に戻るとき、私の二番目の兄はもう一人前になっているかもしれないわ」

夕方近くになり、初は九品の料理と一つのスープを作った。各料理の量を調整していたので、食べきれないほど多くなる心配はなかった。

一樹が両親を連れて帰宅したとき、空はすでに暗くなっていた。

由美子は車から降りるとすぐに夫に注意した。「これから彰啓の嫁に会うけど、変なことを言ったり、余計なことを聞いたりしないでよ」

「普通に会話するのもダメなのか?」

この道中、夫婦は初のことをよく話題にしていた。一樹が彼らを迎えに行った際、バラエティ番組の件について聞かれ、一樹もかなり詳しく説明していた。

由美子は彼を見上げ、少し嫌そうな口調で言った。「あなたのリーダーシップの態度は控えなさいよ。家では誰もあなたの話を聞きたがらないわ」

彼らが家に入ったとき、初はまだキッチンで最後のスープを仕上げていた。