朝比奈初はそれを聞いて、思わず好奇心をそそられた。「そんなに真面目な話なの?」
「私たちの番組はすでに第5回まで収録していますが、今日は正式に皆さんにインタビューをさせていただきます」スタッフはさらに強調した。「このインタビューも生放送です。もし答えにくい質問があれば、お二人は答えないという選択もできます」
このような生放送インタビューの場合、番組側が用意する質問は選別されたものばかりで、通常センシティブな話題は含まれない。もちろん、ゲストが個人的な見解を持つことは排除されないが。
「それでは、インタビューを始めましょう」カメラの外にいるスタッフは質問カードを手に持ちながら言った。「最初の質問ですが、お二人に伺います。この番組に参加して後悔したことはありますか?」
二人は口を揃えて後悔したと答えた。
どんな理由であれ、実はこのような回答も番組側の予想の範囲内だった。
スタッフはその理由を追求せず、次の質問に移った。「もし番組の最終回で、温かい家庭をテーマにした内容を作りたいと言ったら、お二人の実際の家庭に私たちの番組が入ることに抵抗はありますか?」
【うわっマジかよ!?金持ちの住宅街を見られるチャンスかも】
【え?!番組側は最終回の予定なの?】
【これいいね、超見たい!!特に朝比奈の豪邸生活、誰だって知りたいでしょ、番組側さっさと企画して】
【画面の前の私、興奮して叫びそうになった。田園総合番組見てたら最終回に豪邸生活編まで見られるなんて、神番組じゃん、最高】
【黒田監督を知る限り、絵に描いた餅を出す確率は低いから、きっとこの計画があってゲストに提案したんだろうな。ちょっと期待しとこ】
ちょうどその時、長谷川千怜は陸上部の先生と別れた後、すぐに生放送ルームに入った。
彼女は朝比奈初たちがインタビューを受けているのを見たが、入室が少し遅れたため、スタッフが出した質問を聞き逃していた。
しかし千怜はコメント欄を通じて、彼らが家庭回を作りたいと思っていることを知り、なぜか嬉しくなった。
だが、インタビューを受けている二人が沈黙を保っているのを見て、千怜は彼らのために焦った。「二人とも何か言いなよ、もう焦るわ」