近くのスーパーマーケットに着くと、朝比奈初たちはそれぞれ別々に買い物をすることにした。
初は食材と調味料を担当し、長谷川一樹は日用品の購入を担当、佐伯莉子と篠田佳子はシンプルな家庭用品を買いに行った。
スーパーマーケットは今日ちょうどセールをやっていたので、買い物客はかなり多かった。
初は生鮮食品を買う前に、炊飯器とフライパンを買いに行った。
スーパーの販売員はみな非常に熱心で、自分の担当エリアに顧客が立ち止まるのを見ると、すぐに現れるのだった。
このエリアを担当する販売員が初の側に歩み寄り、商品の素材や販売状況について紹介しようとした矢先——
初は相手に浅く微笑みかけ、遠回しに言った。「説明書に全部書いてありますから、わざわざご説明いただかなくても大丈夫です。まず自分で少し見てみますので」
販売員は呆然とした表情を浮かべ、最後には気まずそうに笑うしかなかった。「……わかりました。何かご質問があればいつでもお声がけください」
販売員が他の客を探しに行った後、初は真剣に品定めを始めた。
初は買い物をするとき、通常店や販売員のおすすめには従わず、自分が必要とするもの、役立つものだけを見ていた。
彼らがおすすめするのは単に商品を売りたいだけで、彼らにとっては利益になるが、消費者にとっては、それらの商品が自分に合っているとは限らない。
彼女は料理が上手そうで、キッチン用品にも詳しそうに見えたが、実際にはその方面の経験はなかった。しかし、鍋の素材からその長所と短所を判断することはできた。
【朝比奈さんは鍋選びが上手そうだから、販売員のおすすめなんて全然必要ないよねwww】
【私もスーパー行くとき、あれこれ派手な説明は聞きたくないんだけど、自分の耳が柔らかいという悪い癖が直せなくて。時々ただ通りかかっただけで買う気なんてないのに、店員の話を聞いて買ってしまって、後で後悔することがある】
【こういう気が利く販売員好き】
一方、一樹はショッピングカートを押して一人で日用品コーナーをぶらぶらしていたが、しばらくするとセールスの販売員に出くわした。
一樹が食用油のコーナーに来るのを見て、近くにいた販売員がすぐに近づいてきた。彼女はすぐに一樹だと気づいた。