第36章 奇妙な萌え系少女(4)

翌日の朝七時、須藤夏子はすでに起きていたが、寝坊好きの少女と八時まで格闘することになった。

階下では、木村眉子と須藤明良はすでに朝食を済ませており、夏子の分も食卓に置かれていたが、すでに冷めていた。

夏子と少女はそれぞれスーツケースを持って階下に降りてきた。明良は夏子の手にあるスーツケースを見て、明らかに表情が変わった。一方、眉子の注意は夏子の後ろにいる少女に向けられていた。

「夏子、どうして何も言わずに見知らぬ人を家に連れてきたの!」

夏子は叱責に対して少し気まずく感じ、説明した。「私の友達よ。昨日一晩泊まっただけで、今日には出ていくわ」

眉子がまた何か言おうとしたとき、明良は彼女を睨みつけた。眉子は仕方なく口を閉じた。

少女は頭を下げ、唇を噛みながら夏子の後ろに隠れていたが、怯えているように見えながらも、その目は眉子と明良を観察していた。

「君の友達なら問題ないよ。夏子、また荷物をまとめたのか?つい最近仕事が見つかったばかりじゃないか。今度はどこへ行くんだ?」

「お父さん、学校が家からあまりにも遠くて、毎日の通勤が不便なの。最近学校の仕事も多いから、学校に寮を申請したわ。今日引っ越して、週末に帰ってくるつもり」

この説明は理にかなっていたが、明良は心配そうだった。「通勤が不便なら、お母さんの車を使うか、新しい車を買ってあげるよ。わざわざ引っ越す必要はないだろう」

「車でも道中にかなりの時間がかかるわ。それに私はつい最近事故を起こしたばかりで、免許証のポイントも全部なくなって、運転できないのよ。車を運転しても安全とは言えないわ」

明良は彼女が引っ越す決意を固めていることを悟り、何か不審に思われないようにと言った。「夏子、学校に引っ越したいという気持ちは反対しないが、数日待ってくれないか?お母さんが松本家の結婚式の招待状を受け取ったんだ。その時は家族全員で出席しなければならない。この数日は家にいて、お母さんに準備を手伝ってもらったほうがいい。引っ越したら不便になるだろう」

夏子はこの話を初めて聞いた。「松本家?どの松本家?」