第70章 友達たちはみんな驚いた!

西園寺真司の保証を得て、須藤夏子は須藤明良に電話をかけようと思ったが、彼女は明良に自分の現在の電話番号を知られたくなかったので、この件は一時保留にした。

学校に着くと、夏子は普段は静かなキャンパスがかなり賑やかになっていることに気づいた。入学式までまだ日があるのに、すでに多くの学生が荷物を引きずって校内を行き来していた。

疑問を抱きながら、夏子は急いで職員室に向かった。そこではすべての教師が席に座って忙しく仕事をしており、多くの学生が書類を持って手続きをしていた。

「森本先生、これはどういうことですか?入学式まであと一週間以上あるはずでは?」

森本先生は夏子が戻ってきたのを見て、まず彼女の包帯で巻かれた手に目を留め、立ち上がって彼女の手を取りながら尋ねた。「手がまだ治っていないのに、どうして出勤したの?」

夏子は少し笑って言った。「大丈夫です。家で退屈だったので、様子を見に来ただけです。」

森本先生も勤務年数の浅い若い教師で、職員室いっぱいの学生を見て頭を抱え、不満げに言った。「入学式はまだ始まっていないけど、最近千景市の上級生たちがたくさんここに転校してきて、私たちを忙しくさせているのよ。」

「ここに転校?なぜ?」

「環宇会社の選抜のせいよ!」森本先生は思い切って夏子を連れて手抜きをし、廊下の静かな場所で話をした。

「環宇メディアのことですか?」夏子はこの会社に見覚えがあった。宮平一郎から聞いたことがあるが、セイント・ヨークの学生の一部は環宇メディアとMGエンタメ社に直接送られるという。

「そう、環宇メディアよ。学校を東京で一気に有名にするために、学校が環宇会社と組んで選抜大会を開催するの。私たちの学校から優先的に人材を選んで育成するらしいわ。こんな良い機会だから、学生たちも逃したくないでしょうね。」

夏子はそれについては特に問題ないと思い、笑いながら言った。「ちょうど良いタイミングで来たみたいですね。何か手伝えることがあれば言ってください、私にはまだ片手がありますから。」

森本先生は笑いながら彼女のもう一方の手を見て、すぐにその手の輝く大きなダイヤモンドの指輪に驚いて声を上げた。「夏子、結婚したの?」

夏子はそこで初めて、自分の手に派手な大粒のダイヤモンドをつけていることに気づき、どう答えるべきか一瞬迷った。