浴室内。
須藤夏子は風呂を済ませた後、西園寺真司のシャツを間違えてパジャマだと思ったことに気づき、とても悔しく思った。
夏子と真司はスイートルームに長期滞在することになっており、真司は見知らぬ人が彼の部屋に出入りすることを好まないため、浴室にはホテルが毎日交換する清潔なバスローブがなかった。彼女が人前に出て着られるのは、持ち込んだこの白いシャツだけだった……
何度も考えた末、夏子は唇を噛みながらシャツを着た。
真司の身長は185センチあり、この白いシャツは彼女の体に着ると、ちょうど太ももあたりまで隠れた。念のため、夏子は横向きに鏡に映して確認し、お尻が隠れているのを見て安心し、そっと浴室のドアを開け、頭だけを覗かせた。
寝室には誰もおらず、部屋のドアも半開きになっていた。
夏子は真司がいないのを見て、ほっと胸をなでおろし、こっそりと浴室から出て、クローゼットからパジャマを探して着替えようとした。
しかし、彼女がクローゼットの前に着いたとき、背後のドアから軽い音がした。
夏子は驚いてドアの方を見ると、ちょうど真司も振り返って彼女を見ていた。
「あの……私、服を間違えて持ってきちゃったの。すぐ着替えるわ!」言いながら夏子は顔を赤らめてパジャマを探し始めた。
しかし彼女は知らなかったが、手を伸ばすたびにシャツが上がり、彼女の長い脚全体が露わになっていた。その姿は、真司が先ほど想像していた通りの清純さと妖艶さを兼ね備えていた!
真司の喉が何度も上下に動いた!
この困った女は、今の自分がどれほど魅惑的か分かっているのだろうか!
湿り気を帯びた長い髪、眉、目、そして覆われていない彼女の肌のすべてが、彼に致命的な魅力を放っていた。彼が首筋に残した痕さえも、彼を誘惑しているようだった!
真司の眼差しが深くなり、瞳の中の墨色が燃え上がりそうになった。そして彼はソファに置いてあった薄い布を手に取り、夏子を大きな布で包み込んだ。
「俺に無理やりさせたくないなら、今後はこんな格好で出てくるな!」
真司の恥ずかしさと怒りが混じった言葉に、夏子はパジャマを持つ手が一瞬止まった。そして彼女は、真司の両手が彼女の前で布の端をしっかりと握り、その白い手の甲に青筋が浮き出ているのを感じた。