須藤夏子は再び自分の心臓が早くなるのを感じ、手のひらにも汗が滲んできた。
実は彼女はもう西園寺真司のキスに慣れていたのだが、昨日ようやく本当の夫婦になったばかりで、心の中ではとても気まずく感じていた。だから真司が深いキスを求めてきた時、彼女は少し身をよじって「やめて」と一言言った。
真司は彼女が怖がっているのだと思った。自分が自制できなくなるのを恐れているのだろうと。昨夜の彼女の初々しくも苦しげな反応を思い出し、彼は物足りなさを感じながらも軽いキスで止め、彼女を視界の中に閉じ込め、先ほどキスした場所を撫でながら言った。「この数日は触らないと約束したから、必ず守るよ」
夏子は彼の目の奥を覗き込み、そこに忍耐の波紋を見た。長いまつげが彼の視線とともに数回震えた。
真司は彼女の目の下のクマを見つめ、手を彼女の顔に移して軽く掴んだ。その良い感触に、彼はすぐにも心が乱れそうになった。急いで火を消さなければ!
「少し一人で遊んでいて。先にシャワーを浴びて着替えてくるよ」
夏子はうなずき、真司が寝室に戻った後、彼女は携帯を取り出して卵チャーハンの作り方を検索した。
彼女はキッチンに触れたことがなく、調べてみて初めて卵チャーハンには多くの作り方があることを知った。彼女は一番簡単そうなものを選び、キッチンに行って炊飯器を確認した。
山本ママはとても責任感があり、昨晩の残りご飯はすべて捨てられていた。冷蔵庫にも新鮮な野菜がたくさん追加されていた。夏子は新しくご飯を炊き、ご飯が炊けたら、卵を割り、キュウリとハムを切り始め、まず試してみることにした。
夏子はわざと大きなボウルを選び、卵液を慎重に混ぜた後、一杯のご飯と生の卵液を均一に混ぜ、油を加えてフライパンに入れ弱火で炒めた。卵液はすぐにご飯粒を包み込んで固まり、見た目は昨晩よりずっと良くなった。そして適量の塩とキュウリ、ハムを加えると、色・香り・味すべてが揃った卵チャーハンがすぐに出来上がった。
この成功した卵チャーハンを見て、夏子は内心とても誇らしく思った。今回は心を込めて作ったのだが、念のため、まず自分で味見をし、問題ないと確認してから寝室に持っていった。
「真司、シャワー終わった?」夏子はドアをノックして尋ねた。
真司は中から淡々と返事をした。